深山幽谷の大杉谷




　　その姿を一目見たいという憧れの渓谷が幾つかある。中でも大杉谷はその代表格だ。若い頃から何時かはと

　思い続けながら、いつの間にか４０年もたってしまった。何故こんなにも待たなければならなかったのかと考て見

　た。　一緒に行ってくれる同行者がいなかったことと、アクセスが意外と面倒だったことだろうか。今回、過って

　若い頃訪れたことがあると言う旧知の友が同行してくれ、やっとその思いが遂げられた。エメラルドグリーンの

　清流、家ほどもある大量の大岩（嵓）、そして豊かな水を落とす数々の滝は深山幽谷の世界を作り、ここは正に

　大自然のアトリエを思わせるもの。簡単には近づけないが、その感動は登攀の疲れを吹き飛ばす。


(撮影日2015年８月１日～２日)

コース　 宮川第３発電所（12:20）-シシ淵(14:13）-平等嵓吊橋（16:20）-桃の木小屋（16:34）-七ツ釜滝（7：14）

-崩壊地（7:57）-堂倉滝（9:21）-堂倉避難小屋（11：20）-日出ケ岳（13：35）-大台ケ原駐車場（14：25）



三瀬谷の道の駅からエスパール交通のマイクロバスで第３発

電所手前の駐車場に到着、まず昼飯を食べて登山口から出発





早速ノミではつったような鎖の道



宮川はどこまでも青く清き流れ



大日嵓は巨大な岩が谷を埋める

下は最初に姿を見せたはるか天蓋の千尋滝　

落差１６０ｍ






右は大杉谷のメインスポットの一つでもあるシシ淵

奥にはニコニコ滝が

 　


左はストレートヘアーのようなニコニコ滝

シシ淵を巻く急な岩場を越えると現れる

２段５０ｍ









上は平等嵓の吊橋、画像右には屹立する嵓が

このコースこんな吊橋が１０カ所もある



吊橋を渡り今夜の宿、桃の木小屋へ到着だ。受付の女性スタ

ッフが相棒の首に血が流れているのを発見して、素早く手当

をしてくれた。ヒルだと言う。足元にたっぷりヒル除けを

振っていたが、まさか上から来るとは





今日の泊りは２０人だとか、土曜なのに意外と少ない。

風呂で汗を流せるし、食事はボリュームたっぷりで

ビールも注文できる

夜は消灯が８時半でたっぷり睡眠をとり、朝は６時に朝食を

食べ、”ちまき”の弁当を作ってもらって出発だ。標高差

１２００ｍ余りあるはずで今日はハードな登攀が待っている









小屋をあとにすると、直ぐに七ツ釜滝だ。カスケード状に釜を

作る滝は各地に見られるが、こゝの滝は水量も豊富で谷の

美しさはまるで水墨画の世界　総落差１２０ｍ



平成16年９月台風１２号によって大崩落してしまった岩場

巨大な岩が谷を埋め、その間を縫うように進む





崩落地を抜けると、うって変って穏やかな伏流水の谷



光滝　落差４０ｍ



隠滝　高さ１５ｍ



与八郎滝　二段４０ｍ



グリーンの水を湛えるゴルジュ



コース最後の堂倉滝。スケールが大きく釜も深い。画像右手

の水際に小さく沢登りの女性が岩壁を伺っているのがわかる

だろうか！ 落差１８ｍ、瀑布のミストで満ちた

滝壺は、体を冷やすのには最高だった




堂倉滝からは只管の登りだ。標高差はおよそ930ｍ。林道に

でると直ぐに粟谷延命水があり貴重な水場だ

堂倉小屋はすぐ近くにある



やっと堂倉小屋に着くと今度は長いシャクナゲ坂

杉の古木が聳える









日出ヶ岳頂上展望台に到着、堂倉滝から４時間足らずだったが

酷暑の中相棒共々ついに辿りついた（1695ｍ）




　計画歩行ルート　（谷間でGPSは正確な軌跡を残せず）

TOPへ